Varieties of old roses ~蓼科の豊かな自然が育む純粋な花たち~
薔 薇農園(Rosa蓼科)で無農薬栽培されている薔薇はオールドローズです。薔薇は交配による品種改良の歴史が古いのですが、時代区分でみると「ワイルドローズ(野生種)、オールドローズ、モダンローズ」に分けられます。ワイルドローズ以降から1867年に発表されたモダンローズの「ラ・フランス」以前の時代区分に属するオールドローズは、品種改良が少なく野生種に近いことから薔薇本来が持つ効用や芳香に優れており、古来より蒸留水製造用の最適品種として愛されてきました。モダンローズ以降は花の大きさ・色・形状など観賞用として様々な魅力を持った品種が多いのですが、化粧品用途として考える場合にはオールドローズという選択肢となります。
オールドローズは、一季咲きの品種が多いので薔薇収穫は年に一回となり、緻密な年間計画に基づいて有機栽培(収穫・剪定・肥料・越冬等)に取り組んでおります。高原型気候に属するRosa蓼科での開花時期は6月中旬~7月上旬ですが、天候状況(気温等)によっては1週間ほど前後することがございます。見学希望の方はお越しになられる前にFacebook等で開花状況をご確認ください。
Rosa蓼科では常時10種類以上のオールドローズを栽培しております。主な栽培品種は下記(スパニッシュビューティ等の観賞用モダンローズも含めています)のとおりですが、蒸留水用(化粧品原材料)としての主力品種は「ダマスク、セルシアナ、ガリカ・オフィキナリス、マイカイ、ケンティフォリア」です。知名度が高いダマスクが一番人気と思われるかもしれませんが、近年はマイカイやセルシアナの人気が高くなっております。マイカイの花色(赤紫)はダマスクとは雰囲気が大きく異なり、実際に摘んで頂けると強い芳香を感じることができます。同じダマスク系でもセルシアナはダマスクより花が大きく見事です。咲き乱れるセルシアナの開花風景をご覧になれば人気が高いこともご納得頂けるかと存じます。ガリカ・オフィキナリスの赤と黄のコントラスト、樹勢が強く小さな山のようになってしまったポールズヒマラヤンムスク、赤と白の花色を見比べられるハマナス、秋のローズヒップ(果実)の収穫などRosa蓼科の薔薇農園は見どころがいっぱいです。なお、これらの薔薇達ですが、開花時期が微妙に異なっております。例年通りですと開花はマイカイから咲き始め、セルシアナやダマスクにつながり、ガリカ・オフィキナリスで終わりを迎えます。近年は同時に3~4品種咲いている傾向が強いです。特定品種をご覧になられたい方はご注意ください。
観賞用薔薇園とは趣の異なるRosa蓼科では、オールドローズの可憐な美しさと自然(土・草・藁・緑)が共存しております。開花時期は見学可能ですのでご興味のある方はご連絡(要予約)ください。実際のオールドローズを見ながらの品種説明もできます。
varieties of old roses
ダマスク
オールドローズのなかで最も有名な品種です。香りが強く素晴らしいです。 古来よりローズ油や蒸留水の原材料として栽培されてきました。 花色はピンク色です。繊細ですので栽培にはとても気を遣います。
ガリカ・オフィキナリス
別名「薬剤師の薔薇」とも言われるほど薬効(オフィキナリスの意味は薬効)の強いバラです。 花色は赤に近いピンクで中心の鮮やかな黄色と見事な対比を魅せます。 香りは弱いものの効用重視の化粧水等には最適な蒸留水となります。
セルシアナ
ダマスク系統の香りが強い品種です。 蕾は赤く、花色は明るいピンク、開花につれて色が淡くなっていき、咲き終わりには白色に近くなります。 開花時期に多くの蕾をつけますので薔薇摘みが楽しみです。
ケンティフォリア
カップ咲きの多くの花弁を持つことから別名「キャベジローズ(キャベツバラ!)」ともいわれるケンティフォリア系の基本種です。花色は概ねピンクで素晴らしい香りです。
マイカイ
紅紫(花色)で八重咲きのマイカイは少し雰囲気が異なります。 蒸留水として化粧品原材料とするほかにローズティーを作ったりします。 お飲みになられたい方は開花時期にお越しください。
ハマナス(白)
海岸の浜に咲いて果実が梨に似ているので「ハマナシ(浜梨)」と名付けられ、それが訛ったことが名前の由来(他説有)です。花色は赤系統が多いのですが、白色もあります。
ハマナス(赤)
花色が赤のハマナスです。白花弁とは違う雰囲気を醸し出しています。白と赤の二つのハマナスを見比べると同品種でも色によるイメージの違いは大きいと思います。紅白なので縁起いいかなと二種類を栽培しています。
シャポードゥナポレオン
萼(がく)の独特の形状がナポレオンの帽子に似ている事が名前の理由です。花色は明るいピンクで豪華ながら柔らかいイメージです。甘く強い香りは素晴らしいです。
山椒薔薇
山椒薔薇(サンショウバラ)は葉が山椒(サンショウ)に似ていることで名づけられた薔薇で花弁は淡紅色です。蒸留水用の薔薇として栽培しているわけではありませんが、枝には多くの花弁をつけ芳香も素敵です。
ロサ・カニーナ
ローズヒップ(薔薇の果実でハーブティー等用)の収穫と観賞用に栽培しております。英名をドッグローズ(イヌバラ)といい、その学名からロサ・カニーナとも呼ばれています。花弁数が5枚と少なく原種の一つです。
ブルボン・ローズ
ブルボン・ローズ(ブルボン系統)はインド洋(アフリカ大陸南東)に浮かぶレユニオン島で栽培されていた薔薇から作られました。同島はフランスの植民地でブルボン島と呼ばれていたことが名前由来です。
ポールズヒマラヤンムスク
小さく可愛らしい花を大量に咲かせるポールズヒマラヤンムスクです。Rosa蓼科では逞しく成長し過ぎてしまい、小さな山のようになってしまいました。中には何があるのでしょうか?
モーツアルト
天才作曲家モーツアルトの名前を冠したオールドローズです。花色は赤に近いピンクで中心は白くなります。花芯(黄色)との対比が可愛らしい花を咲かせます。樹勢は非常に強いです。弊社は音楽好きが多いので趣味栽培です。
マダムアルディ
気品ある純白で花型も美しいマダムアルディです。純白と花芯のグリーンアイ(緑色)との対比が素晴らしい!爽やかな香りが特徴的ですが、Rosa蓼科では蒸留用ではなく観賞用として栽培しております。
スパニッシュビューティ
オールドローズではないのですが、香房の壁に這わせています。 ピンク色(花色)の優雅な大輪の花を咲かせます。 観賞用ですので蒸留水製造はいたしません。
ニュードン
樹勢も強く強健な品種です。オールドローズではありませんが、ツルバラのニュードンを香房壁面に観賞用として這わしています。同じく壁に這わしているスパニッシュビューティとは雰囲気が違います。